SSブログ

其の三 ZEPHYR  [俺とバイク]

其の二 からの続き)

バイクを手に入れた少年は、どこへ行くにもバイクに乗って出かけるようになった。ツーリングよりも、日常の移動手段としてバイクを使うことが多かったが、充実したバイクライフを送ることができた。


少年はバイクに乗って楽しい学生生活を過ごしていたが、諸事情によりバイクを売却しなければならなくなった。JADEとは一年半、走行距離12,000km の付き合いであった。

バイクに代わる日常の移動手段として、マウンテンバイクを購入した。

ゼファー①.JPG
Panasonic Mountain Cat


この自転車に乗って東海道を走り、街道の歴史を少しだけ学んだ。また、ブルートレインで北海道まで輪行し、道内を走って旅の楽しさと寂しさを味わった。たくさんの思い出があるので、全く乗らなくなった今でも、捨てることなく駐輪場に置いたままにしている。



時は流れて数年後・・・

少年は再びバイクに乗るチャンスを得た。今度乗るバイクは400cc、人気のカワサキ「ゼファー」である。

ゼファー④.JPG
R299から信州へツーリング  1996.6

このバイクでは街乗りだけでなくツーリングも楽しんだ。初夏のビーナスラインまで日帰りで走ったことが、一番の思い出である。



そんなある日、バイクに乗って友人宅へ行き、徹夜で麻雀をして明け方に帰ろうとしたら・・・。

少年のバイクは、忽然と姿を消していた。


「あれっ・・・。バイクが無い」

しばらくして、少年は自分のバイクが ”盗まれた” ことに気が付いた。盗難だ!!


近所に住む悪ガキの仕業と踏んだので、近くのコンビニ、駅、公園、パチンコ屋の駐輪場などを探しまくったが、見つからない。友人にも手伝ってもらい捜索したが、結局見つからなかった。


もう出てこないのかな・・・
盗難から一ヶ月近くが過ぎて諦めかけていた時、バイクショップから電話が入った。

「バイクが見つかりました! 荒川の河川敷に捨てられています。今から引き上げに行きますが、一緒に行きますか?」

慌ててバイクショップまで行き、スタッフと一緒にトラックに乗って荒川の河川敷まで行く。そこで見たものは、変わり果てた姿になったゼファーだった。

ゼファー②.JPG
ゼファーが発見された荒川の河川敷(2008年6月撮影)


土手の下の方に放置されていたので、ロープを使って引き上げた。エンジンは直結されており、サイレンサーは取っ払われている。車体には無数の傷。そしてタンクのゼファーエンブレムが剥がされ、そこに

”SUZUKI”

といたずら書きがされているではないか!


ゼファー③ (2).JPG
”ZEPHYR”のエンブレムは剥がされていた。



当時、ゼファーのエンブレムを”KAWASAKI”に代えるプチ 「ZⅡ」 カスタムが流行っていたが、これは明らかにそれを知っている者が、いたずらでSUZUKIと書いたのだと分かった。
心無いバイク乗りのいたずらに、少年は落胆し、そして失望した・・・。



結局犯人は見つからず、ゼファーは廃車となったが、不幸中の幸いで盗難保険に入っていたので、追い金を払って再度ゼファーを購入することができた。今度はシルバーカラーにした。
盗難された鬱憤を晴らすかのように、あちこちツーリングに出かけた。


ゼファー⑥.JPG
八戸からフェリーで北海道へ  1996.9

ゼファー⑤.JPG
四国・佐田岬からフェリーで九州へ  1997.9


ゼファー⑦.JPG
九州・原尻の滝  1997.9


少年はこのバイクで日本全国を走り回り、ツーリングの楽しさを知った。


つづく → 其の四 CBR1100XX’98

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:バイク

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0