SSブログ

東京電力株主総会 簡易議事録(2) [東京電力 株主総会]

東京電力株主総会 簡易議事録(1)からの続き


(11:05)
個別質疑開始

Q:今回の原発事故を”異常な天災によるもの”と勝手に認定しているのはおかしいくないか。それなのに賠償金を支払うと言っているが、それでは賠償金ではなくほどこしではないか。
原子炉の真下にある水の汚染数値を公表して欲しい。

A:(勝俣会長)災害の原因が天災によるものかどうかは、裁判所が決定する。
(武藤副社長)原発の安全確保には最善を尽くした。福島第二原発よりも第一原発の方が津波が高かった。汚染水の数値に関しては、ホームページで公表している。希ガスに関してはヨウ素が10の19乗ベクレル、セシウムが10の18乗ベクレル放出された。



Q:福井の原発施設に見学に行ったことがあるが、女性が立入禁止の場所があった。女性には放射線がより危険であることを広く警告して欲しい。東電のOBにも事故の責任があるのに、企業年金をもらうのはおかしいのではないか。

A:(小森常務)女性の被ばくについては、妊娠中の女性、胎児に影響が出やすい。3カ月で5ミリシーベルトを上限と設定している。
(山崎副社長)全ての費用について見直し、合理化を考えており、企業年金もその範囲から外れていない。しかし企業年金は法的な保護もあるし、退職金の側面もある。これから検討する。



Q:総会で拍手が起きるのは前の方の席だけ不自然だ。原発事故は政、官、行、御用学者の癒着が原因では。役員の全財産を売却して、補償に当ててもらいたい。

A:(清水社長)
このような事態になったことをお詫びする。事故の収束が最大の責務と考え、全力で取り組む。政府の事故調査委員会に全面的に協力している。
(勝俣会長)5月より、代表取締役は全額、常務は60%の報酬を返上している。

Q:太陽光などの自然エネルギー利用の取り組みについて。

A:(清水社長)再生可能エネルギーを検討している。3か所のメガソーラー設置を進めている。



Q:社外取締役に大学教授がいるが、そのような人が会社経営をすることができるのか。少数株主に対して臨時の配当をしてほしい。

A:(清水社長)社外取締役からは貴重な意見をいただいているし、経営の独立性には全く問題ない。本年度は株式の配当は行わない。



Q:原発からの汚染水が漏れたら恐ろしいことになる。対策を行ってほしい。

A:(小森常務)汚染水は最大のリスクである。処理装置を設置し、併せて原子炉の冷却をおこなうべく進めている。汚染水があふれないよう、地下タンクを急ピッチで建設している。



Q:役員は責任を感じていないのではないか。あなたたちに経営を任せて大丈夫なのか。東電的体質を治さない限り、事故は収束できないのでは。

A:(勝俣会長)事故の収束、電力の安定供給、会社の存続を第一に考え、これまでの経験を生かして乗りきりたい。



Q:事故直後からデータ隠しがあったのではないか。「直ちに影響はない」と言い続けてきたが、汚染水はすでに溢れてしまったのか? 事故の影響を受けた人に対しては、一生涯補償をしてくれるのか。

A:(小森常務)震災直後の停電でデータが取れなかった。その後、膨大な情報を取りまとめている。汚染水はサブドレン、サブタンクのピットをふさいで漏れるのを防ぎ、建物の内部にとどめるようにする。



Q:東日本と西日本で周波数が違うが、統合は考えているのか。

A:(藤本副社長)周波数を統合するにあたっては、発電機、変電設備及びお客様の持っている設備の変更が必要になる。技術的には難しい。東西の融通は現在100万kwしかできないので、容量を拡大したい。



Q:アメリカからの援助を断ったと報道であったが、本当なのか。

A:(武藤副社長)世界中の英知を集めて取り組んでいる。外国からも様々な支援を受けている。アメリカとフランスの技術で汚染水を処理している。



Q:被災者に対する仮払いを進めてほしい。子どもたちは疎開させて面倒をみるべきではないか。

A:(廣瀬常務)これまでに一世帯当たり100万円、単身世帯は75万円の仮払いを行い、5万3千世帯に振り込みをした。2回目の仮払いも検討している。



Q:清水社長が退職したら、退職金はどうなるのか。

A:総会終了後に取締役会をおこなうが、退職慰労金については決裁できない。



Q:原発事故は東電だけの責任ではない。もっと他にも責任があることを主張するべきではないのか。

A:(山崎副社長)被災者への対応が一番重要であり、原子力賠償法による支援を行っていく。



Q:借入金が7兆円もあるが、返済可能なのか。

A:(武井副社長)電力会社は設備投資にお金がかかる。原発事故のあと、2兆円の緊急借り入れを行った。23年3月末の時点で借入金は9兆円ほどになっている。



Q:今後原発は水素爆発しないのか。

A:(武藤副社長)水素爆発する可能性は小さい。窒素を封入している。


【他質問多数】


(16:09) 株主総会終了





(所感)
これからの日本のエネルギー政策について議論されると期待して総会に参加したのですが、質疑の大半は事故の責任追及と補償に関することでした。
株価が暴落して損をした株主の怒りは分かりますが、これだけの事故が起きたというのに責任問題ばかりを取り上げ、先のことを考えようとしない姿勢はどうなのか。経営者と株主の双方にがっかりしたというのが正直なところです。
質疑の大半はこれまでのマスコミ報道で出ていた内容なので、目新しい情報もありませんでした。

大震災から4カ月が過ぎました。日本の真の復興はあるのでしょうか。しばらくは先の見えない状況が続きそうです。


nice!(14)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 14

コメント 2

kimiko

この先、大気汚染による健康被害問題もでてきそうですね。。
こういう時の怒りの矛先…経営陣にむかうしかないのでしょうね…。
わたし自身、何も考えず恩恵に与ってた電力や水の供給、今回の事故で色いろ考えさせられました。
by kimiko (2011-07-14 07:15) 

akipon

kimikoさん、こんにちは。
経営陣に対する怒りが、良い方向に向かうきっかけになりますように。いままで問題に気付かないで暮らしていたことがなんと幸せだったことか。今年の夏が比較的涼しいので、節電の苦しみがちょっと和らいでいるのが救いです。

by akipon (2011-08-08 06:48) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0